出産翌日に退院するアメリカで「頻回授乳による完全母乳育児の確立」は不可能だ
昨日の話に関連して、母乳育児inAmericaの話を書くよ。
日本で母乳育児を軌道に乗せようと思ったら、
「産後すぐからの頻回授乳が超!!重要!!」
っていうのが、昨日の話の1行まとめね。
詳しくはこの記事に書いたんだけど、改めて軽く説明しておく。
具体的には、
- 最低でも産後5日くらい入院して、その後は実家の援助などに依存しながら、
- 皮膚がむけて血のにじむ乳首を赤ちゃんに吸われる激痛に耐えて、
- 1日中赤ちゃんをおっぱいにぶら下げる覚悟で、
赤ちゃんに母乳を吸わせまくり、数週間から数ヶ月かかってやっと完母になる。
母親にとって大変な試練だ。ミルクあげてももちろんいいんだけど、赤ちゃんがミルク好きになったら母乳育児の継続は難しい。だから、母乳で育てたいなら、哺乳瓶でミルクをあげるのは最低限に抑える必要がある。
母親も赤ちゃんも健康で、実家の援助とかの環境にも恵まれていないとなかなか厳しい。
だからね、昨日ツイッター経由でコメント頂いたのだけど(反応くれるととても嬉しいです、ありがとうございます!)、
赤ちゃんを育てている人に対して、「母乳で育ててるの?」なんて絶対に聞いちゃダメだからね!!
母乳で育てたかったけど、いろんな事情が重なって、諦めざるを得なかった、っていう人もたくさんいる。それくらい難しいことなんだ母乳育児は。
っていう母乳育児の知識をちょっと頭に入れてもらって、次にアメリカの親友が経験した出産事情もちょっと説明させてほしい。
親友は、
- ギリギリまで自宅にいて、病院についてから8分で赤ちゃん誕生!
- 出産翌日に痛み止めをもらって退院
- まともに歩けもしない状態で、可能な限りの頻度で痛み止めを飲みつつ、自宅での生活をスタート
- 産後3日、産後1−2週間、産後1ヶ月に赤ちゃんの健診のために通院
- 産後3日、産後6週間でママの健診のために通院
- 母乳が出なかったため、産後2週間の間に4回くらい、母乳外来にも通院
という、産後すぐから体に鞭打っての動きまくり生活をしていたらしい。
日本なら入院中にする健診や、授乳指導もアメリカは通院でやるみたいだ。
産後すぐにこんなに動き回って大丈夫なのかという心配はここではちょっと置いておいて、今日の本題である母乳育児に焦点を当てると、日本みたいに
「赤ちゃんを1日中おっぱいにぶら下げる生活」できないよね?
通院のために着替えたり、外出したり、健診の待ち時間とかだって多少はあるだろうし、1日中裸で胸に赤ちゃん下げてるわけにはどう考えたっていかない。
でも、友人は(あまり母乳が出ない体質にもかかわらず)、完全母乳育児を軌道に乗せた。しかも、子供が生後3ヶ月で仕事に復帰。
- 平日は搾乳した母乳とミルクを哺乳瓶で授乳
- 平日の夜間と休日は完全母乳
で超順調に育児している。
かたや、日本式に「とにかく頻回授乳!!」を実践してきた私は、
- 産後半年たった今まで、人に預けたことはほとんどない
- 昼間は1−2時間おきに授乳
で、完全母乳育児&専業主婦という生活だ。
アメリカの母乳育児事情の話を書きたかったんだけど、背景事情として説明することが多すぎて全然本題に入れないや。長くなるし、ダラダラ書いても煩雑になるだけなので、ここで今日はおしまいにするね。最後に要点整理だけ。
日本の産婦は産後一ヶ月、ほとんど外出もせず、1日中赤ちゃんにおっぱいをあげながら過ごす。
仕事を持つ女性も産後は1年くらい育児休業を取得して、子供がおっぱいを卒業するまで、子供とべったりの生活をすることも普通だ。
こういう文化的背景があるからこそ、日本では「産後すぐからの頻回授乳」という大変な試練を(周囲の協力と母親自身の希望で)乗り越えられれば、母乳育児を確立できる。
対するアメリカ。
産婦は産後1日で退院し、痛み止めを飲みながら自宅での生活をスタート。
産後の健診や授乳指導はすべて病院に通院して行われる。通院の頻度は人にもよるが、健診も母乳外来も通院すると、2−3日に1度は外出する必要がある。
また、仕事を持つ女性は産後2−3ヶ月での復職も一般的だ。子供はまだ1日中授乳を必要とする月齢だが、仕事に復帰する母親は、平日は哺乳瓶、休日は完全母乳という授乳スタイルを確立することにより、母乳育児を継続する人も多い。
明日こそ、アメリカの母乳外来がどういう指導をするのかっていう話を書きたい。
「頻回授乳」だと産後は外出もままならないし、仕事復帰はおろか、赤ちゃんを少し人に預けることすらめんどくさい。つまり、
産後すぐに頻繁な外出を強いられ、産後2ヶ月で仕事復帰も一般的なアメリカでは、頻回授乳は不可能
ってことだけ今日はわかってもらえたらうれしい。
おわり。
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