東大卒主婦の毎日

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どんなスタイルでもとやかく言われることなく、居心地のいい社会であってほしい

母乳育児の話、まだ続けてもいいかな。

昨日のはなんだか要点だけ書いた「まとめ記事」的になっちゃったから、もう少し細やかに説明しておきたい。 

kirinshimauma.hatenablog.com

 昨日のこの記事の要点だけ改めて整理して、今日の話の導入にする。

母乳育児のポイント

  1. 赤ちゃんに十分な水分と栄養を与えること

  2. おっぱいに産後すぐから刺激を与え続けて、母乳を出させること

  3. 哺乳瓶でミルクをあげるのは極力控えること

 日本とアメリカの母乳育児の指導方法

日米両国とも、哺乳瓶でミルクは極力与えないのを原則とし、

  • 日本:産後すぐからの頻回授乳
  • アメリカ:チューブを用いた授乳補助システム(SNS)+搾乳

っていうのが指導の柱。SNSってツイッターとかフェイスブックのことじゃなくて、Supplemental Nursing System(授乳補助システム)の略だからね。

youtu.be

 

以上が昨日までのまとめで、ここから本題ね。

日本の方法もだけど、アメリカの方法も、

実践するのはものすごく大変なんだ、っていうことを今日は改めて書きたい。

 

①日本の場合

日本の方法が大変なのは以前も書いたけど、

  • 産後ボロボロの身体にムチを打ち、
  • 授乳でおっぱいの皮膚はむけ、血がにじむこともあるけど、
  • その激痛に耐え、最初の数日は母乳が出ないことも承知の上で、
  • 赤ちゃんに1日中授乳しなくてはならないから

なんだよね。もちろん生活していく上で周りのサポートは欠かせないんだけど、「授乳」という行為に関しての負担は、100%ママにかかる。

日本式の頻回授乳で、パパや周りの人が直接手伝えることはなにもない。

 

アメリカの場合

日本式の「頻回授乳」の負担が100%ママにかかるのに対し、アメリカのチューブとシリンジを使った授乳方法は、ママひとりだと困難だ。

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昨日のこのイラストでは、ママが一人でやってるけど、生まれたばかりで首も座ってないし、おっぱいに吸い付くのもまだ下手なぐにゃぐにゃの新生児を、うまくおっぱいに吸い付かせて支えるだけでも大変だから。

ママが新生児におっぱいを吸わせ、横にパパが座ってサポートに入る必要がある。

シリンジから伸びた細いチューブを赤ちゃんの口の端にいれ、すこーしずつシリンジを押して赤ちゃんの口にミルクを注いであげるのはパパの仕事だ。

先の動画もシリンジは使ってないけど、2人がかりでやってるよね。

また、この授乳方法には、ミルク作ってシリンジに詰めたり、使い終わったシリンジとチューブを洗ったりする仕事もある。これを全部ママ一人でこなすのはまぁ無理だ。

つまり何が言いたいかって、アメリカ式のチューブとシリンジを使った授乳方法は、2人体制で24時間、シフトを組む必要があるってことだ。

この説明だけだと、実際の流れがわかりにくいからスケジュール書いてみようか。

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母乳外来でもらうこの紙に忠実に実践すると、たとえば、

  • 6:00→パパがミルク準備、ママ新生児を連れてきて授乳準備
  • 6:10→パパとママ、おっぱいをあげつつミルクをチューブであげる
  • 6:30→パパシリンジとチューブを洗う、ママ搾乳
  • 6:50→仕事終わり休憩
  • 9:00〜9:50→次の授乳と搾乳
  • 12:00〜12:50→また授乳と搾乳
  • 15:00〜15:50→授乳と搾乳
  • 18:00〜18:50→授乳と搾乳

っていう感じのタイムスケジュールが、24時間休みなく続く。

 しかもこれ授乳と搾乳の時間しか書いてないからね。

オムツ替えだってしなくちゃいけないし、新生児はうんちやおしっこもよく漏れるし、吐き戻しで汚れることも多い。

パパもママも合間にご飯食べたり寝たりする必要があるし、健診のための通院だってある。

 

親友の場合は、2−3日に1度の通院もこなしつつ、夫と2人で、産後すぐから2週間くらいこの生活を続けたらしい。パパもママも疲れたときは哺乳瓶でミルクをあげて、うまく休憩の時間もとりながら。

2週間くらい続けたら、母乳だけで赤ちゃんが満足できるくらいになり、シリンジとチューブを卒業できたそうな。

 

アメリカでも日本でも、

母乳育児を起動に乗せるのは大変なことなんだ、

っていうのがイメージできただろうか。

 

★☆★

日本のやり方はひたすらおっぱいをあげるだけなので、単純だ。ミルクを作る回数も少なくていいし、シリンジやチューブを洗う必要もない。

反面、授乳はママに100%任せきりになるし、「3時間おき」みたいな授乳のリズムもつきにくい。授乳のタイミングは赤ちゃんの要求次第になってしまいがちだ。ミルクの量とあげるタイミングも難しい。

 

それに対してアメリカのやり方は、パパとママの2人が協力体制で24時間シフトを組む必要がある。授乳ごとに毎回ミルクをシリンジに詰めたり、シリンジとチューブを洗ったり、搾乳もしたりと手間がかかる。

手間がかかる反面、パパも手伝えることが多い(というか手伝わないとたぶんうまくいかない)。ミルクを3時間に1回、母乳で足りない分をきちんと補えるので、赤ちゃんを満足させて、「3時間おき」という授乳のリズムを作りやすい。

「3時間おき」というリズムを作ることは仕事との両立を考えると重要なんだろう。

産後の育児休暇中は3時間おきに授乳して完全母乳で育児をし、授乳後には毎回搾乳して、余った母乳は冷凍保存。

産後2−3ヶ月で仕事に復帰しても、3時間おきの搾乳さえすれば母乳育児は続けられるし、育休中にストックした母乳と、前日に搾乳した母乳を保育園であげてもらえば、赤ちゃんはママがいなくても母乳を飲める。

 

★☆★

 赤ちゃんに母乳をあげている間は、仕事も休むし、赤ちゃんと1日中一緒にいて世話を焼くなら、頻回授乳は理にかなっている。

ぐずったらおっぱいをあげれば赤ちゃんはとりあえずおとなしくしてくれるし、便利なことこの上ない。

2歳の上の子にもおっぱい解禁して、2歳児をなだめるのにもおっぱいを活用してるママは私だけではないと思う。

おっぱいは産後1年くらいは赤ちゃんの重要な栄養源だし、1年過ぎても長期にわたって子供の精神安定剤の役割を果たす。この精神安定剤さえあれば寝かしつけだって楽勝だ。

 

産後2−3ヶ月での仕事復帰が一般的なアメリカでは、産後すぐから、仕事に復帰した時も続けられる母乳育児を確立することを重視してるから、シリンジとチューブを使ってひと手間かけて赤ちゃんの授乳のリズムを作ったり、徹底して搾乳を指導したりするんだおそらく。

 

母乳を与えず、完全にミルクだって赤ちゃんは健康に育つ。

完全ミルクにする場合は搾乳だって必要ないし、生後2−3ヶ月以降 の赤ちゃんは夜通し寝てくれることも多い。人に預けるのだって簡単だ。ミルク育児もママにとってはいいことがたくさんある。

 

どれくらいミルクを使うのか、仕事に復帰してからも母乳を続けるのか 、いつまで赤ちゃんに母乳を与えるかは、各家庭の、ママの、考え方しだいだし、いろんな事情やママの体質の問題も絡んでくるので、必ずしも希望どおりの方法になるとも限らない。

 

★☆★

母乳だろうがミルクだろうが赤ちゃんは元気に育つし、赤ちゃんを元気に育てるっていうのはもうそれだけでめちゃくちゃ大変な仕事だ。

  • 母乳だろうが、
  • ミルクだろうが、
  • 専業主婦だろうが、
  • 産後2ヶ月で仕事に復帰しようが、
  • 3年くらい育児休業をとって休もうが、
  • 出産前後で一度仕事を辞め、落ち着いたら再就職しようが、

どんなスタイルでもとやかく言われることなく、居心地のいい社会であってほしいよね。

おわり。

 

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